入札と聞くと、建設工事をイメージする方が多いかもしれません。
実際に、数多くの公共工事は、入札によって国や地方公共団体から民間の建設会社等へ発注されています。
一方で、工事以外の、物品の売買やサービスの提供などを扱う案件を“物品等“の入札といいます。
では、もう少し具体的に、埼玉県の入札案件も見ながら“物品等”入札について解説していきたいと思います。
“物品等”の入札とは?
“物品等”入札の「物品」って何のこと?何かの品物とか…?
工事と違い「物品」という言葉を聞いただけでは、
どういった内容の入札案件なのかイメージが掴みにくいと思います。
結論として、”物品等”というのは総称であり、「物」に限った表現ではありません。
次の業種一覧を使ってもう少し詳しく解説したいと思います。
埼玉県の“物品等”入札案件は、以下の7業種に分類されています。
ご覧の通り、実際に「物品」という分類業種があるわけではないですね。
つまり、この7業種の総称として“物品等”と表現されているということです。
入札案件ってどういうものがあるの?
7業種あるのは分かったけど…買受け、電算?それって結局、どういう内容なの?
物品等の入札案件は内容が多岐にわたるため、7業種を見ただけではイメージが掴みきれないかもしれません。
それでは、埼玉県の実際の入札案件について、それぞれの業種ごとに内容を見ていきましょう。
1.販売
- 高校で使用する高性能パソコン・ワイド液晶モニターの購入
- プリンタ消耗品の購入
- 県庁が使用する軽乗用自動車の購入
このように、学校や庁舎で使用するパソコン等の機器や消耗品のほか、自動車のような大きなものまで、購入先の民間企業等を入札で決めています。
2.賃貸
- AED賃貸借
- 農産物自動販売機賃貸借
- 図書館システム賃貸借
このようにAEDや自販機等の物の他、システム等も、賃貸できる民間企業等を入札で決めています。
3.買受け
- 廃バッテリーの売り払い
- 船舶の売り払い
こちらは、使用しなくなった物の買い手を募るという点でオークションのイメージが近いのかもしれません。
4.印刷(印刷の請負)
- 彩の国だより印刷業務(広報課)
- 窓空き封筒(税務課)
広報紙等の印刷の請負のほか、県の規格に合わせた封筒の作成業務などもあるようです。
5.電算(電子計算に関する業務)
- 埼玉県統計資料データ化業務委託
- 申請書等作成支援システム導入業務
- 埼玉県総合リハビリテーションセンター身障・療育手帳交付業務
電算、電子計算というと聞き慣れないですが、とても大まかに表すとパソコン関連業務です。また、身障・療育手帳交付業務やヘルプデスク業務など、パソコンを使用した事務作業の業務委託といった内容もあります。
6.催物、映画、広告、その他の業務
- 埼玉県マスコット「コバトン」「さいたまっち」着ぐるみPR事業
- 暮らしやすい環境づくり推進セミナー配信・運営業務委託
- 機動隊新規入隊者健康診断
- リハビリテーションセンターの給食業務
- 埼玉県福祉部リフト付き大型バス運行業務
上記のほか、調査業務や会場設営、工事や移設に伴う物品移動など、幅広いサービス業務があてはまります。
7.建築物管理
- 警備
- 清掃
- 害虫駆除
- エレベーター設備保守点検
- 空調設備等保守点検
建築と入っていますが、工事の入札とは別物です。建築物、つまり庁舎等の建物を安全に維持・管理するための案件が中心となっています。
さて、物品等の入札案件のイメージが掴めてきましたでしょうか?
また、入札に参加するには、入札参加資格申請をして入札参加資格をもつことが大前提となります。
入札のことでお困りの際には行政書士事務所ほーぼーにご相談ください!